紙の月

【紙の月】

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お台場で観て来ました。

===以下、基本情報===

タイトル
=紙の月

監督
=吉田大八

キャスト
=宮沢りえ
=池松壮亮
=大島優子
=田辺誠一
=近藤芳正
=石橋蓮司
=小林聡美

ストーリー
バブル崩壊直後の1994年。夫と2人で暮らす主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事に従事し、その丁寧な仕事ぶりで周囲にも評価されていた。一見すると何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だが、自分への関心が薄い夫との関係にむなしさを感じていた。そんなある日、年下の大学生・光太と出会った梨花は、光太と過ごすうちに顧客の預金に手をつけてしまう。最初は1万円を借りただけのつもりだったが、次第にその行為はエスカレートしていき……。

予告編





監督は「桐島部活やめるってよ」の吉田大八さん。

この監督、人間のどん底まで落ちていく様を
これでもかと生々しく表現するのが凄い!

宮沢りえ演じる既婚者派遣銀行員の梨花が、
軽い気持ちで1万円顧客から預かったお金を借りるところが
大横領を起こす最初のきっかけだったのだが、これでもか!という位に見事に落ちていく。

梨花の中学時代の回想シーンで、
授業の一環なのか道徳の時間なのか
募金を集め恵まれない子に寄付するのが
梨花にとって「与える側の幸せ」を初めて感じる瞬間だった。

脳裏にこの「与える側の幸せ」があったからこそ、
クソ大学生の池松壮亮に貢ぐために、横領をしてしまう事になる。

客観的に見ると痛い女だよ。宮沢りえ(役の中の話しねw)。

37歳の既婚女性が、
大学の授業料を払えない池松壮亮に
どっぷりハマってお金を貢ぐ。

貢ぐと言っても最初は貸すだけだったのに、
家では節約しているような、派遣主婦が
一流ホテルのスイートルームで男と豪遊し、
楽しいひと時を過ごす。

その代償に多額のお金を横領することになる。

この映画の1つのテーマは、
麻痺だと思った。

最初は1万円だったのが、
10万、100万、1000万と、
麻痺するのに時間はかからない。

この一因に少ない給料での派遣銀行員が
毎日大きなお金を扱うことも
自分の貰う給料とのギャップが大きすぎて麻痺しやすい環境だったから。

宮沢りえと池松壮亮は、何度と濡れ場シーンがある。

感慨深くともダメ出ししたいのはその濡れ場シーン。
思えば僕が中学時代。
10代の宮沢りえが写真集「Santa Fe」で社会現象?までなったオールヌードを披露し、
お世話になったあの中学時代。

20年ぶりに時を経て、
あのおっぱいを大スクリーンで拝めるかと思うと
なんだか感慨深い心情になりますのさ。

あー、この濡れ場は
おっぱいポロリしますぜ!
どのように成長し熟したものなんだろ…
と思っていたのに、

不自然にもカメラはおっぱいが見えない絶妙な絶望なアングル!!!

いやぁ、これは逆に不自然すぎて怒りを覚えました。
(゚A゚;)ゴクリと喉を鳴らした瞬間を返して下さいよ!!

あ、一応言っておくけど
おっぱい見えなかったから怒ってるんじゃないんだからねw
不自然だからだよ。

脱線しまくりでスミマセン。


あと、演技で言うと、
宮沢りえが凄い自然で良い感じでした。

キレイなんだけどどこか不幸顔で
幸せになっちゃダメなような未亡人顔。
良い歳して大学生相手に何やってんだよ!!
痛々しい!

という気持ちにさせてくれる、
ちょうど熟れ終わった今の宮沢りえにピッタリの役でした。(褒めてます)

案の定、大学生の池松壮亮は最初は良い子だったのに、
お金の魔力と共にちょーしに乗りやがって、
梨花を傷つける結果に。
でも大学生なんてそんなもんだよね。これが普通でしょ。

梨花が大学生を金に染まったダメな男に仕立てあげた。

よく、風俗嬢がホスト男に貢ぐために、
風俗を辞められず借金地獄になるパターンがある。
ウシジマくんの世界のように。

だが、あれは最初から思考能力の低い、
バカ風俗嬢だったりするので、まぁ痛いながらもよくいるよね。そういう女。
それでも景気は廻ってる。から良いや!
と思うが、

常識ありそうな37歳梨花が、
プロのホストじゃない、普通の大学生にのめり込んでしまう様の方が、
大人として痛い!!

池松くんと体を絡めている時、
ホテルで豪遊している時の梨花の幸せそうな顔。
女性ホルモン分泌されまくって脳に快楽物質が溢れ、あの宮沢りえの不幸顔が
嘘のように可愛く映るんだよね。

でも、代償は大きいけどその一瞬が楽しければ案外これはこれでよかったのかもしれない。


見終わった後、この映画について印象に残っているのは、
やはり巨額の横領についてだった。
横領の事ばかりだった。

だが、よく考えてみよう。

その前の最初の罪はそんな横領なんかじゃない。

既婚者の梨花が大学生と不倫している事の方が罪!!
その最初の罪がなければ、ここまで大それた横領事件なんて起こさなくて済んだのだ。

仕事人間の旦那さんが構ってあげないから!とか声が出てきそうだが、
男目線からしてみたら、梨花が完全に悪いから!

昼顔だって吉瀬美智子の旦那さんがキモイ!みたいな事いうけど、
子供いる身で結婚していて不倫を趣味にして、家を出て行った吉瀬美智子が悪いんだから!

そんな宮沢りえと大学生と旦那さんの事ばかり書いたが、
今回の助演女優賞は小林聡美です。

銀行員の上司なんだけど、
言葉の一言一言に凄みがあるし、
「やべっ!疑ってる!!」と何度思ったことか。

目線や表情だけでも演技のできる凄い人なんですね。

ラストシーンでも名台詞のオンパレードです。
重みが違う!



あと、意外と?
音楽が気に入りました。

若干うろ覚えなんだけど、
宮沢りえの不倫シーンや横領シーンに、
軽快なリズムの音楽が流れる。

日常生活と比べて非日常なシーンのみ音楽が鳴り響く演出。
これは脳の快楽物質や心臓の鼓動の早さを表現しているのかな。

特に横領シーンはお客さん側の目線パンカメラにあの軽快なリズム。
不審な動きしていないか観客と一緒に楽しむことができるように作っているのかな。と感じました。



そんなわけでこの「紙の月」。
こういうジャンルの映画は大好きだし、
ハラハラしながら最後まで集中してみることができました。

オススメ。




お金なんて使わなきゃただの紙切れ!!!











by akkikkikki | 2014-11-19 23:04 | 映画 | Comments(0)

自己満足にコツコツと書いてます。 My life's LOG


by utamaru
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