絶望の国の幸福な若者たち
2013年 06月 22日
著者の古市氏が若干26歳の時に書いた書籍。
僕は朝生に古市氏が出演して議論しているのを見てファンになり、読むべき本として本書を購入。
・4年に1度ワールドカップに盛り上がり渋谷で騒ぐ若者
・戦争が起きれば国のためには戦わずに逃げる若者
この相反するナショナリズムがメインテーマ。そう感じた。
以下議論を醸し出すためになのか、挑発的な著者の意見。
「「日本」がなくなっても、かつて「日本」だった国に生きる人々が幸せなのだとしたら、何が問題なのだろう。国家の存続よりも、国家の歴史よりも、国家の名誉よりも、大切なのは一人一人がいかに生きられるか、ということのはずである」
これは極論と言うか、誤解を招くだろう賛否両論の意見。
国家と個人のレイヤーをどこに置くべきか?
本当に国家が無くなると、その国家の元の個人は「いかに生きられるか?」どころではないと思った。
現状の若者に対する要件や問題定義を投げっぱなしで、問題解決までの提案はされていないので、研究書籍というよりは、コラム、ルポ的に肩の力を抜いて読むほうが楽しめます。
いや、それにしても26歳で自分も含まれるだろう若者についての独自の分析力には頭が下がります。クールな文体で皮肉たっぷりの柱脚。この書き方も若者ならではなのかな^^;