メモ ●OSPF
2005年 04月 19日
■OSPFの特徴
・業界標準のリンクステート型のルーティングプロトコル
・エリアを使用した階層構造によりコンバージェンスを高速化
・Helloパケットを使用してネイバーを検出し、ネイバーテーブルに登録する
・ネイバー検出後はLSA(Link State Advertisement)を交換してデータベースを作成する
・SPF(Short Pass First)アルゴリズム(ダイクストラアルゴリズム)を使用して最適経路を選出する
・クラスレスルーティングプロトコル
・ルータのCPU/メモリの使用率が高い
・メトリックとしてコストを使用
コスト=100Mbps÷帯域幅(Mbps)
例:帯域幅が64kbpsの場合 100Mbps÷0.064Mbps=1562
■OSPFの3つのテーブル
・ネイバーテーブル
同一セグメントに接続されているOSPFルータのリスト。
ネイバー関係はHELLOパケットによって確立して維持する
・トポロジーテーブル
ネイバーから収集したLSAで作成したデータベース。エリア内で同じ情報を持つ。
LSID(Link State DataBase)とも呼ばれる。
・ルーティングテーブル
パケットの転送に使用される経路情報
■マルチアクセスにおけるOSPFの動作
・マルチアクセスネットワークではHelloパケットを使用し
DR(代表ルータ)とBDR(バックアップ代表ルータ)が選出される。
これによりコンバージェンスの高速化に有効にはたらく
・DRとBDRの選出はHelloパケットを交換時にOSPFプライオリティ値を比較し最も大きい
ルータがDR、2番目に大きいルータがBDRに選出される
プライオリティのデフォルトは1、0に設定されているルータはDR,BDRに選出されない
・全てのルータのプライオリティ値が同じ場合はルータID(IPアドレス)を比較して
大きいほうが選出される。
・DRがダウンした場合はBDRルータがDRに昇格し新たにBDRルータが選出される
・LSAの送信にマルチキャストアドレスを使用
224.0.0.5・・・全てのOSPFに送信
224.0.0.6・・・DROTHER(DR,BDR以外のルータ)がDR,BDRに送信
■OSPFのエリア導入
◆利点
・SPF計算頻度の減少
・ルーティングテーブルの縮小
・ネットワーク上のLSAパケットの減少
・ルータとメモリとCPU負荷の減少
◆マルチエリア(複数のエリアに分けた構成)のタイプ
・バックボーンエリア
他のエリアと相互接続をするエリア エリア0を使用する
・標準エリア
非バックボーンエリア 他のエリアからのトラフィックはバックボーンエリアを経由する
・スタブエリア
Type5 LSAを受信しないエリア
・トータリースタブエリア
Type3,4,5のLSAを受信しないシスコ独自のエリア
・NSSA(Not So Stubby Area)
ASBRを配置できる特殊なスタブエリア
◆マルチエリアでのOSPFルータのタイプ
・内部ルータ
全てのインターフェースが同じエリアに属しているルータ
・バックボーンルータ
1つ以上のインターフェースがエリア0に属しているルータ
・ABR(Area Border Router)
複数の異なるエリアに接続したインターフェースを持つエリア境界ルータ
・ASBR(Autonomous System Border Router)
一つ以上のインターフェースがOSPFネットワークの外部ASに接続しているルータ
■OSPFの設定
(config)#router ospf [プロセスID]
*プロセスIDは他のルータと一致させる必要はない
(config-router)#network [アドレス] [ワイルドカードビット] area[エリア番号]
設定例:(一つのエリア内で動作するRouterA)
RouterA(config)#router ospf 100
RouterA(config-router)#network 172.16.0.0 0.0.255.255 area0
設定例:(エリア0、エリア1と複数のエリアにまたがるRouterB)
RouterB(config)#router ospf 100
RouterB(config-router)#network 172.16.50.0 0.0.0.255 area0
RouterB(config-router)#network 172.16.20.0 0.0.0.255 area1