クオリティ・リーディング
2009年 12月 21日
読書術系の本はたくさん読んだから、
もぅ読まなくてもいいかな。と
思っていたのに、またこの手の本を買ってしまった。
これは、最近多い「速読」や「多読」とは
一味違った、「質」重視の読書法のススメについて
書かれている。
結構流しながら読んでいったんだけど、
途中からかなり共感する部分も多かったりなので
少しだけ引用させてもらいます。
P90~
私は日本のメディアに掲載される書評には、全般的に大きな問題があると思っています。
具体的には「仲間褒め」の問題です。
<中略>
こうした「仲間褒め」が日本の新聞書評で横行する最も根本的な原因は、日本には欧米で見られるような意味での、本物の書評専門家がいないことです~
そのほとんどが学者、評論家、作家、ジャーナリストなど、自らも何らかの形で執筆活動を行っている方々が中心になっています。
<中略>
書評者である学者が「自己規制」するだけではなく、書評を書かせる新聞社などのメディア側自身も「自己規制」していることが挙げられます。
これはかなりそう思う。
執筆者としては横の繋がりも強かったりもあるだろうし、
中々触れられない部分について、勇気ある意見を述べてるのが
読み手側からしたら好感的。
売れるために執筆してる人ももちろんたくさんいると思うんだけど、
売れたいが故に、仲間同士の傷の舐め合いされたり
情報コントロールされてしまうのは、残念だもんね。
読者側としてみたら、やっぱりお金を支払って書籍を購入する以上は
良い本に出会いたい。
そのための、広告やレビューはやっぱり大事だし参考になる。
僕も最近、結構本を読んでるんだけど、
ある著者がプライベートでも繋がりのある執筆家を褒めまくっていたり
その逆もしかり。
執筆家同士のコミュニティみたいのが、
自然に見えてくるようになって、
なんだかなぁ。って思ったことも。
この著者は、
そんな「仲間褒め」の改善策として
以下の様にも書かれている。
P95
私が提唱したいのは、新聞や雑誌の書評では、書評者名を匿名にし、書評者が変な気兼ねせずに書けるような環境をつくるべきだということです。
もっとも、このように書評者名を匿名にするということは、新聞や雑誌の記事を書いた記者名を掲載して、その責任の所在を明らかにしていこうとする昨今のメディア界の動きとは逆光する動きとなります。
<中略>
今後、日本において、書評を一つのプロフェッションとして、さらには、一つの文化として確立していくためには、書評者名を匿名にするというような荒治療もときには考えていく必要があるのではないでしょうか。
必ずしも好印象な場合でもないようなレビューとかは
やっぱり匿名の方が、本心を書けるだろうし、損得関係ないような
フラットな立場の本当の書評者プロが出てきてほしいもんだ。
そういう意味ではAMAZONとかmixiのレビューの方が全然信頼できるねかな。
良い本、悪い本の選び方として、
著者は以下の様に考えています。
P108
それでは、質の悪い本とは、いったいどのような本のことを言うのでしょうか。これに関して、私は2つの判断基準を持っています。具体的には、
①ジャーナリストの書いた本、
②口述筆本、
という2種類の本については、原則として買わないようにするということです。
この二つの心はこんな感じ。
①は、ジャーナリストの本は時事ネタを扱った売りたい気持ちタップリの本。例えば今だったら『のりぴーについて』だったり『押尾について』だったり。
3ヶ月もすれば忘れ去られるような
流行的なネタなので、・・・ってこと。
②は、大半は文章を気軽に書きすぎてる。って事。
あとこれも売れっ子の旬な作家さんが忙しくなって片手間で、インタビューした事とかをそのまま、本にしてるパターン。一生懸命、文章を考えた本と比べると、その一瞬の口から出た言葉を文章にしたものとでは質が違う。みたいな。
著者もこんな事も言ってます。
P112
実際、有名な学者の中には、若い頃は一生懸命に研究して、原稿用紙のマス目を埋めていたような人でも、少し有名になってチヤホヤされると、その途端に口述筆本に走ってしまう人がいます。
そんな、人の口述筆本を読んでみると、議論が大雑把であるだけでなく、具体的な記述や認識にも事実誤認があったりするなど、とてもまともな評論の対象にできないものが数多く見られます。
あの人の事言ってるんだろうなー。とか
何名か頭の中に浮かんできた(笑
何冊かこの手の本は読んでるんで
期待はしていなかったんだけど、
僕の中では
この手の本では
1,2を争うオススメ本。
速読や多読をススメル本が多く、
何冊か速読系の本を読んでみたけど
なかなか僕の様な一般人には速読なんてできない・・・。
ジックリ本を読んで、内容を鵜呑みにせずに
読みながら色々考える事が最も大切!って事も
僕には合っているようだった。
すき間時間とかにとらわれないで
一歩進んだ良質の本をじっくり読もうかな。と。